loading...

旅行ガイド・ご当地本のいいとこどり 電子書籍サービス

  • トップ
  • 特集・キャンペーン
  • ご当地本からひもとく「地域のコト」 第5回:『下仁田ねぎの本』からみえる、歴史と地域に根づく食材の力

「たびのたね」とは?

 

無料本コーナー

 

購入した電子書籍の読み方

 

オリジナルガイドブックをつくろう

 

出版社

ご当地本からひもとく「地域のコト」 第5回:『下仁田ねぎの本』からみえる、歴史と地域に根づく食材の力

「日常と食のコト」でくらしを楽しくするライフスタイルマガジン「ケノコト」と「たびのたね」のコラボ企画記事。ご当地本からみえてくる、地域の日常や文化、知られざる魅力をご紹介します。第5回では、群馬県の上毛新聞社発行『下仁田ねぎの本』をひもときます。

私たちの毎日の食卓に欠かせない食材のひとつ、「ねぎ」。
原産地は中国西部ではないかとされているそうです。日本の歴史にも古くから登場しており、約1300年前の歴史書・日本書紀にも「秋葱(あきぎ)」の名前で記述されています。

また、ねぎは各産地の特色が豊かな「地野菜」としても知られており、種類が大変多いことも特徴です。大別すると「白ねぎ(根深ねぎ・長ねぎ)」と「青ねぎ(葉ねぎ)」があり、東日本では白い部分を食べる「白ねぎ」が、西日本は根元まで青く葉身を食べる「青ねぎ」が好まれています。

このように歴史深く数あるねぎの中でも、特に地域の暮らしに根付き、全国的にも有名なもののひとつが、「下仁田ねぎ」。短くて太い白根、扇のように広がる青葉が印象的な「白ねぎ」の一種です。生では非常に辛いものの、加熱することで特有の甘みと柔らかな食感が生まれるため、特に「すき焼き」などの鍋物や、煮物に最適なねぎとして重宝されています。
 

下仁田ねぎのふるさと 下仁田町

下仁田ねぎは、その名の通り、群馬県南西部に位置する下仁田町を中心に栽培されています。
長野県軽井沢町など有名観光地に隣接し、2014年に世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産のひとつ「荒船風穴」がある町です。妙義山や荒船山など周囲を標高1000メートル級の山々に囲まれたのどかな土地が広がっています。
 

この町と「下仁田ねぎ」にフォーカスしたご当地本が、『下仁田ねぎの本』(上毛新聞社発行)です。
本書では下仁田ねぎの成り立ちから特徴、歴史上のエピソード、料理レシピ・加工品のほか、下仁田ねぎを愛する人々の暮らしや想いなど、下仁田ねぎに関するあらゆる情報をひもとくことができます。
 

「下仁田ねぎは下仁田におけ」

下仁田ねぎは下仁田町とその近郊のごく限られた地域でしか美味しく育たない、ということが本書には語られています。
その昔、群馬県のその他の地域や長野県でも栽培が試みられたものの、育ちが悪かったり、逆に育ちすぎて葉が固くなってしまったりと、いずれも美味しいねぎをつくることができなかったのだとか。
 

品種改良が進んだ現在では、他地域でも栽培できる“新たな下仁田ねぎ”が生まれているそうですが、見た目を似せることはできても、その味・食感までをも似せることはできなかったとのこと。

そのはっきりとした理由は分かりませんが、「下仁田ねぎは下仁田におけ」という言葉もあるようで、その土地でした育たない下仁田ねぎと下仁田町の切っても切り離せない関係性が感じられますね。
 

「殿様ねぎ」といわれるゆえん

下仁田ねぎは古くから人々に珍重されていた、ということも綴られています。

江戸時代後期の文化2(1805)年には、なんと江戸幕府城内から地元の名主宛に「ネギ200本至急送れ」という手紙が送られていたとのこと。
その後、江戸幕府への年末年始の贈答品としても利用されるようになり、下仁田ねぎは「殿様ねぎ」とも言われることとなりました。
 

昭和9(1934)年と16(1941)年には、皇室にも献上されたという下仁田ねぎ。
私たちのはるか以前の時代に生きた人々も、きっと同じようにその味に舌鼓を打っていたのでしょう。
 

下仁田ねぎを使った伝統の郷土料理

地元温泉宿が提供する、下仁田ねぎを使った郷土料理も紹介されています。

熱湯の中にその白根をくぐらせ青葉までひたし、ザクザクと豪快に切って“ぬた”を添えれば「ねぎぬた」に。「ネギって、こんなにおいしかったの!」と、皆さん驚くのだとか。
 

大きく切った下仁田ねぎと人参の「かきあげ」。下仁田の温泉は全国でも珍しい炭酸泉ということで、その温泉水でかきあげの粉を溶くことでふっくら柔らかく揚がるそうです。
温泉水でつくる天ぷらなんて、なんだかとっても贅沢ですね。
 

「いいふうみ」でこぼれる人々の笑顔

11月23日は「いいふうみ」と語呂合わせできることから、地元農園により「下仁田ねぎの日」と制定され、下仁田町では毎年「農業祭・下仁田ねぎ祭り」を行っています。その見どころは「巨大ねぎま」。旬の下仁田ねぎを使って、参加者のみなさんで長~いねぎまを焼き上げる。地元の方も観光で訪れた方も分け隔てなく、下仁田ねぎを通じて美味しい笑顔でつながる瞬間です。
 

長い歴史の中で愛され続け、地域の生活や文化に深く根付くほどの力をもった食材「下仁田ねぎ」。ご紹介しきれないほど、下仁田ねぎに関するたくさんのコトが、まだまだ本書にはつまっています。そしてこの本を読んだ後に下仁田ねぎを食べれば、きっといっそう美味しく感じられることでしょう。
 

『下仁田ねぎの本』

発行:上毛新聞社
群馬を代表するブランドネギ「下仁田ねぎ」のすべて。生産地の風土、ねぎの由来や栽培法、料理レシピ、お土産品、下仁田町の観光スポットなど幅広く掲載。「ネギサミット」の全国ブランドネギも紹介。

「ケノコト」

毎日の何気ない暮らしこそ大事なことがたくさん。ケノコトは日常と食をより楽しくするメディアです。ケノコトの“ケ”は、「食べる」や「糧」といった食(け)のことと「ハレとケ」のケ=「日常」を表しています。ケノコトのコンセプトは“ココのある暮らし”。ココとは個々(1人1人)、此所(色んな場所で)、小幸(小さな幸せ)。日常を彩るちょっとした幸せ。そんな瞬間が生まれるきっかけをつくること、それが「ケノコト」の役割です。

―ご当地本からひもとく「地域のコト」―
第1回『信州の発酵食』からみえる
“丁寧な暮らし方のヒント” >>

第2回『続・名古屋の喫茶店』からみえる
名古屋人の喫茶愛と足し算文化 >>

第3回『京都珍百景』で知る、
「珍」京都のススメ >>

第4回『オキナワグラフ』で知る、
ガイドブックに載らない沖縄の姿

第5回『下仁田ねぎの本』からみえる、
歴史と地域に根づく食材の力
第6回『家庭でつくる 沖縄の漬物とおやつ』から感じる、
おばぁのぬくもりと島の飾らない家庭の味 >>

  • トップ
  • 特集・キャンペーン
  • ご当地本からひもとく「地域のコト」 第5回:『下仁田ねぎの本』からみえる、歴史と地域に根づく食材の力
ページトップへ戻る