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JTBパブリッシングの出版案内

Vol.1

富山のショウワノートに工場見学!
「ジャポニカ学習帳専用の緑インク」というポリシー

ジャポニカ学習帳と「たびのたね」のコラボキャンペーンを記念して、富山県・高岡市に旅してきました。まずはショウワノート本社を訪れ、ジャポニカ学習帳の工場見学をすることに。

工場の広さは約1万平方メートル、約60名の社員の方々が働いています。この工場ですべてのジャポニカ学習帳が生産されています。

ジャポニカ学習帳を生産する工程は、表紙印刷、百科(ジャポニカ学習帳の中に収録されている学習情報ページの部分)印刷、本文(文字を書くノートの部分)印刷を行い、3つを合わせて「全自動製本機」という大きな機械で一気に製本。できあがったノートを念入りに検査して完成です。

工場にはジャポニカ学習帳のポリシーがたくさん詰まっているそうです。高岡市出身の安部隆之工場長に案内していただきました。

■国産100%の紙を使用

ひとつ目のポリシーは「紙」。

安部工場長「これらがノートに使う紙です。ジャポニカ学習帳は、国産100%の紙を使用しています」

国産食材のみを使う企業はよく聞きますが、ノートの原材料が国産のみとは初めて聞きました。原価を抑えるために外国産のものを使おうという意見は出なかったのですか?

安部工場長「これは創業からのポリシーなんですよ。やっぱり、小学生のお子さんが鉛筆で書いたり消しゴムでこすったりするから、ノートの紙は丈夫でないといけない。そのためには国産の紙がいちばんなんです」

丈夫なノートを作るためのポリシーなんですね。

■ジャポニカ学習帳は専用の「緑」インクを使っていた!

次に、表紙を印刷する印刷機を見せてもらいました。インクにもポリシーがあるそうです。

安部工場長「この四角いユニットの中に1色ずつインクが入っています。一般の印刷機では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色からさまざまな色を表現しますが、ジャポニカ学習帳の表紙の緑色は特色インクのグリーンを使っています」

あのジャポニカ学習帳の特徴でもある緑色ですね!専用に作られた色だったんですね。なんという名前の色なのですか?

安部工場長「特色としか名前はついていないのですが、社内でこの緑色のことは“ジャポニカ草”と呼んでいます」

ジャポニカ学習帳のあの緑色には、かわいい愛称がついていたんですね。

10,000回転/1時間(MAX時)、つまり1秒間に2.7枚という超高速で刷り上がっていく表紙たち。インクを印刷した後にミクロパウダーをスプレーしているため、紙同士がくっつく心配もありません。

刷り上がった表紙は色を確認。緑色もきれいに出ています。表紙は6冊分、同時に印刷しているんですね!

■重さ700キロの巨大なロール紙を印刷!

ジャポニカ学習帳の中身、本文(文字を書くページ)の紙がこちら。

安部工場長「この大きなロール型の紙が、ジャポニカ学習帳の中身になる紙です。国内の製紙メーカーさんにショウワノート専用の紙を作ってもらっています」

とっても大きいんですね! 1ロールで重さ約700キロ、長さ約12~3キロメートルもあるそう。これでジャポニカ学習帳が約7,200冊できます。

真っ白な紙に本文の罫線を印刷します。こんな風に巨大なロール紙を巨大な印刷機にセット。

安部工場長「この部分で、ロール状になっている紙のうねりを伸ばしています」

巨大なロール紙を伸ばす機械も巨大! 迫力がありますね。

うねりを伸ばした紙に、国語や算数など科目ごとの罫線を印刷していきます。

この罫線の色もジャポニカ学習帳のために作った色。日本色彩研究所が監修した目に優しい緑色を使っているそうです。ここにも細やかなポリシーが!

■一気に製本できる「全自動製本機」が大迫力

安部工場長に工場見学の見所を聞いたところ「やっぱりドイツ製の全自動製本機ですね」とのお答えが。どれがその全自動製本機なのかというと……

実は、先ほど巨大ロール紙に罫線を印刷した工程が、すでに「全自動製本機」の一部。罫線の印刷から一気に完成までひとつの機械でできてしまいます。

「丁合(ちょうあい)」の行程では、罫線が印刷された本文(文字を書くページ)15枚と、百科(ジャポニカ学習帳の中に収録されている学習情報ページの部分)、そして表紙が合わさります。その後、「断裁」の行程でこれまで6冊分だったものを縦に切り、3冊分に。

「ミシン掛け」の工程です。この機械で、3冊分つながったままのノートを糸で縫い合わせます。二重環縫いと呼ばれる縫い方でしっかり丈夫に縫います。

しっかりと縫い合わされていますね! 完成間近です。

「背折り」の行程でノートを二つに折り、背にクロス(紙テープ)を貼る「クロス巻き」が終わったら、いよいよ「全自動製本機」でおこなう最後の工程です。

端を切って規定サイズに整え、3冊分だったノートを1冊ずつに断裁。

ジャポニカ学習帳ができあがってきました!

■最終工程は「サイコロ」を使っての検品!

安部工場長「形はできましたが、ここから検査の工程を経ると、本当の完成です」

できあがったばかりのジャポニカ学習帳を社員の方々が念入りに検査しています。が、検査はこれだけではありません。

最終チェックは、製品検査員の方がおこないます。チェック項目は12個で、できあがった製品の中から抜き取りチェックを行います。

抜き取りといっても勘で選ぶのではなく、サイコロを使って抜き取るサンプルを決めるそうです。勘だとどうしても偏りが出てしまいますが、無作為にチェックするためサイコロを振って乱数表を作るんだとか。へ~面白い!

無事に検品が終わった製品はすぐ横で梱包されます。10冊ずつフィルム包装をして……

ダンボール詰めをすれば、あとは出荷を待つだけ!

これでジャポニカ学習帳の完成です!

安部工場長「具体的な数字は公表できないのですが、1日に高岡市民全員分くらいの数のノートを生産しています」

新学期に向けて生産量が増える11月~3月は特に繁忙期で、朝8時~16時45分と、16時45分~翌1時5分までの2交代制でフル回転して作っているのだそうです。この工場から、全国の子どもたちにピカピカのジャポニカ学習帳が届けられるんですね!

■工場の床にゴミが落ちていないのはなぜ? 裏・工場見学

安部工場長が、さらに工場の秘密を教えてくれました。

安部工場長「工場の床をごらんになってください。紙を裁断したゴミが、ひとつも落ちていないでしょ?」

本当ですね! 製本の工程でノートの切れ端がたくさん出ていたのに、まったく床に落ちていない!

安部工場長「その秘密はこれなんです。切れ端のゴミは、すぐにこのホースで吸い上げ、工場の天井を通ってそのまま“ゴミ回収部屋”に飛ばしています」

なるほど、ゴミが出たらすぐに吸い上げちゃうんですね。これなら床に散らばる心配も、掃除する手間もありませんね。ゴミたちが行き着く“ゴミ回収部屋”ってどんなところなのか気になります。

安部工場長「散らかっているのでお恥ずかしいのですが、特別にお見せしますね」

うわー! ノートの切れ端が上から舞い降りてきてまるで雪山のよう! ゴミ回収部屋で意外な景色を見てしまいました。このゴミは毎日回収業者が引き取っていくのだそうです。

安部工場長「ショウワノートのシンボルもお見せしましょう」

案内されたのは、大きなドラえもんの絵が描いてある、高さ約23メートル、横幅約37メートルの倉庫。富山県・高岡市は、ドラえもんの作者である藤子・F・不二雄さんの出身地。その縁もあり、ショウワノートではドラえもんのノートや文房具のグッズもたくさん作っています。

安部工場長「以前はこの格納倉庫に約500万冊のノートが収められていました。上から下までダンボールでいっぱいだったんですよ」

この場所いっぱいにノートが入っていたことを想像するだけでクラクラしてきます。今は老朽化の問題で使われていませんが、工場のシンボルとして活躍しているそうです。鉄骨むき出しの感じが、工場っぽくてとてもそそられる光景でした。

安部工場長、楽しくご案内いただきありがとうございました!

ショウワノートの工場見学(※)は、小学生の遠足などで人気のコース。年間約2,500人の子どもたちが訪れるそう。
※ゴミ回収部屋、格納倉庫は見学コース外

安部工場長「見学に来た子どもたちは、工場の大きな音にびっくりしていますね(笑)。みんな、自分の身長よりも大きい機械が規則正しくスムーズに動いている様子を、興味深そうに見ています」

10名以上であれば一般の人でも工場見学を受け付けているそうですよ。夏休みなどは親子クラブの見学も多いんだとか。45年の歴史あるジャポニカ学習帳なので、親世代でも「懐かしい!」と楽しめそうですね。

現在、「たびのたね」ではジャポニカ学習帳の歴代の表紙がオリジナルガイドブックの表紙になるコラボ企画を実施中です。みなさんが使っていた懐かしい表紙を探してみてください。

※本ページ掲載の内容は2015年11月現在のものです。

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