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Special Interview 俳優・画家 榎木孝明さん 感じるままに日常の風景を描く

――去る2016年7月2日、イオンモール幕張新都心 蔦谷書店にて、俳優・画家として活躍する榎木孝明さんの新刊『Artfully Walking TOKYO AND BEYOND 榎木孝明と歩く関東名所』(=以下『TOKYO AND BEYOND』)の刊行記念トークイベントが開催されました。
このイベントの様子と、インタビューの内容をまとめてご紹介いたします。

PROFILE 榎木孝明(ENOKI TAKAAKI)

1956年生まれ。武蔵野美術大学デザイン科に学んだのち、劇団四季に入団。1981年『オンディーヌ』で初主演。1983年劇団四季を退団し、翌年のNHK連続テレビ小説『ロマンス』の主演でテレビデビュー。以来、映画『天と地と』、プロデュース主演映画『半次郎』、テレビ『浅見光彦シリーズ』、NHK大河ドラマ、舞台などで活躍。旅と絵を好み、世界の風景を描き続けている。

旅が気付かせてくれた日常の美しさ

私は役者を約40年やっておりますが、絵はそれ以前から描き続けています。
特に、20~30代はデイバッグひとつに絵の道具と着替えだけ入れて、アジアをひとり旅していました。

特にインドが大好きで13回ほど訪れているのですが、そのうちの5、6回目の旅だったかな。34、5歳の頃と記憶しています。
大好きなガンジス川でスケッチをしていた時に、なぜか、「あぁこうやって時間をかけて苦労して来たけれど、どこにいても自分は自分だし、どこにいても絵は描けるなるなぁ」と思ったんですよね。

そうして日本に帰ってきて、東京のビル群が見た時に、やたらと新鮮に目に映りまして。
それまでは何の感情も湧かなかった景色が、まったく違って見えました。
「こんなに愛おしい町に自分は住んでいたのだな」と再認識した瞬間でした。
これを機に、東京の絵を描くようになりました。
実は私は30代半ばまでは、都会の絵は描けなかったんですよ。
東京というところは仕事をするにはいい所だけど、絵にはならないと自分の中に思いこみ、決め込みがありました。
ですから、このインド旅行のあとの自分の変化には驚きましたね。

心の向くままに描くこと

今日は、壇上に2枚の水彩画を飾ってもらっています。
“スカイツリー”と“逆さ富士”ですね。

私は写真と違って、絵はもっと自由であって良いと思っています。
曇っていても気持ちが晴れていたら、青空にしちゃえ、とか、
山がもう少し高い方がこの絵はバランスが取れるな、と思ったら高くしちゃえ、とか。
ここに電信柱があると絵がうるさくなるなと思ったら消しちゃう。
絵は、自分の感性で変えていける楽しさがあると思っています。
みなさんも、肩ひじ張らずに、『良い加減』に頑張りすぎないほうが、面白い絵が描けますよ。
どうしても、うまく書こう、人に下手だと言われたくない…と力んでしまう。
そうすると絵を描くこと自体が楽しくなくなってしまいます。
その気持ちを捨てることが大事です。

さらに言えば、心の向くままに描くということも大切です。

私は絵の道具をもって旅行にでかけますが、絵を描かなければいけないとは一切思っていなくて、景色を見て、心から「あぁここを描きたいな」と思った時にだけ筆をとるようにしています。
心が動いた時に描いた絵は、とても生き生きして見えます。
たとえば、風は目に見えないので、絵に描こうとすると難しいですよね?
でも、風を心地よいと感じた、その気持ちを絵に封じ込めることはできます。
同じ景色を見ていても十人十色、違う絵になる。それが面白いんじゃないかな。

『TOKYO AND BEYOND』に収録している大好きな場所

『TOKYO AND BEYOND』に収録している景色はどこも気に入っているのですが、内表紙の外苑前は散歩コースで、年によっていちょう並木の黄色味の違いを楽しめて大好きですね。
冬枯れになった時がまた良いです。
葉が散って、絨毯になった時とかね。
四季折々の景色を楽しめるのは、日本ならではです。
東京をあまり描かなかった時には、よく通ってはいたけれど、そうした美しさや楽しみ方に気が付きませんでした。
恋をしていると目に映るすべてが美しく見えるように、景色は心を反映するんですね。
だから、いい気分になった時は、絵を描きたくなるんです。

「たびのたね」読者へメッセージ

東京に限らず、身近な景色を、改めてふと立ち止まって注目することの心地よさを知ってほしいですね。
地方に行けば行くほどその土地の文化が色濃く残っていて、素晴らしいなと感じることが多いのですが、「素敵なところに住んでいますね」と住民に言ってもみんなポカーンとします。
自分の周りの景色を再認識すると、心が変わっていく瞬間が訪れますよ。
そうした生き方を大事にしてほしいと思っています。


今後は島に行ってみたい、島特集をやりたいな、と嬉しそうに話されていた榎木さん。 見る人の想像力をかきたてる、魅力的な絵を描き続ける榎木さんの今後の作品が楽しみです。


取材協力:オフィス・タカ、イオンモール幕張新都心、幕張 蔦屋書店、まむかいブックスギャラリー  撮影:小池直也

『 Artfully Walking TOKYO AND BEYOND 榎木孝明と歩く関東名所』

著者:榎木孝明 訳:コルーチィ・ステラ 発行:まむかいブックスギャラリー 
価格:1,296円(税込)

ページをめくるたびに関東各地を巡っている気分になれる、素敵なアートガイドブック。榎木孝明さんが各地を旅して風景を描き続ける中で、東京と関東各地のおすすめの場所や名所を紹介。インバウンドでも楽しめる日本語、英語併記。



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